タケノコが旬を迎えている。生のタケノコはゆでてあく抜きをする手間がかかるが、格別の味わい。そこまで手をかけられなくても、手軽に使える水煮もよく出回るので、積極的に食卓に取り入れてほしい。
和食のイメージが強い食材だが、洋風で食べるのもお薦め。炊き込みご飯や土佐煮など定番料理が一巡したら、ぜひ挑戦してみて。今回は水煮を使い、フライパン一つでできる南フランスの郷土料理「バリグール」風のレシピを考えた。
バリグールはニンニクを効かせた白ワインの煮込み。日本では手に入りにくいつぼみ野菜の「アーティチョーク」がよく使われる。アーティチョークはほくほくした食感が特徴だが、タケノコで作るとシャキッとした歯ごたえが良く、また別のおいしさ。
一晩おくと味がなじむ。冷めてもおいしいので、作り置きして常備菜や弁当のおかずにしても。パスタをゆでてあえても、ワインにぴったりの一皿になる。
もう一皿は「タルトフランベ」。フランスの北側、アルザス地方の郷土料理で、本来は薄く延ばした小麦粉の生地にチーズや具材を載せて焼くが、より簡単に、食パンを手で平らにつぶして生地にした。
玉ネギとベーコンだけのシンプルな具で、間違いなくおいしい。チーズでなくヨーグルトを使ってサワークリーム風の味わいにし、ヘルシーかつ、冷めても食べやすく仕上げた。
(山田高久・ワイン食堂「シャンティ」店主、静岡市)
タケノコのバリグール風
<材料=2人分>
タケノコ300グラム、ニンジン1本、ニンニク3片、厚切りベーコン50グラム、ローズマリーやタイムなどのハーブ適量、白ワイン1カップ
<作り方>
①タケノコは1センチ程度の厚さのくし形に切る。ニンジンは皮をむき、スライサーやピーラーで縦長の薄切りに。ニンニクはみじん切り、ベーコンは棒状に切る
②フライパンにオリーブ油大さじ3を入れ、ニンニクとベーコンを入れて弱火にかける。焦がさないようにじっくり炒め、香りとうまみを油に移す
③タケノコ、ニンジン、白ワイン、塩小さじ1を加え、ふたをして中火で5~7分程度蒸し煮にする。途中、時々かき混ぜる
④ニンジンがしんなりしてスープが白っぽく煮詰まったら完成。味をみて足りなければ塩を足す。器に盛り、ハーブを飾る
おすすめは白
料理と同じく南フランスの白ワインを。同じ土地のものは確実に合う。写真はラングドック地方のソーヴィニヨン・ブラン種100%の1本。すっきりしていながら丸い味わい。
差が出るポイント
タケノコのバリグール風で白ワインを入れた後は、煮汁にとろみが出て白っぽくなるまでしっかり煮詰める。ワインの酸味が飛んで甘みが出る。
もう一皿 タルトフランベ
<材料=1人分>
8枚切りの食パン2枚、玉ネギ半個程度、薄切りベーコン1枚、ヨーグルト大さじ2
<作り方>
①耳を取った食パンを手のひらで押しつぶし、平らにする
②玉ネギを薄くスライスし、塩少々をまぶして軽くもみ、水分が出たら絞る。ベーコンは細切りにする
③食パンにヨーグルトを塗り、軽く塩こしょうをして玉ネギとベーコンを載せる
④❸をクッキングシートに載せ、180~200度のオーブンで10分焼く。端が色づいたら完成
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