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台湾で愛される客家料理…「豚バラ肉のカラシナ蒸し」は行列できる人気店の定番メニュー - article.auone.jp

台北支局 鈴木隆弘 古代から段階的に中国北部から南部に移動し、各地に定住してきた漢民族の一支流「客家(ハッカ)」。一部は海を渡って台湾に広がり、現在は人口の2割を占めている。独自の言語や習俗があり、食文化も「客家料理」として発展してきた。

■しょうゆがよく染みこみ、濃い茶色に

 台湾で最も多い約90万人の客家が暮らす北部・桃園市。丘陵地の客家集落に、週末になると行列ができる人気店「大江屋客家美食館」がある。定番メニューは「梅干扣肉(メイガンコウロウ)(豚バラ肉のカラシナ蒸し)」(400台湾ドル=約1800円)だ。

 塩漬けにした後、乾燥させたカラシナを水で戻し、ニンニクやトウガラシでいためる。これとは別に豚バラ肉を煮込み、しょうゆなどで味を付ける。

 最後に一緒に蒸し、大量のカラシナの上に豚バラ肉を盛りつけたら出来上がりだ。しょうゆがよく染みこんで、いずれも濃い茶色に仕上がった。彩りにパクチーやパセリなどを添えている。客家料理は肉体労働を支えるため、高カロリーで塩気が強いのが特徴だ。

■「薄味にアレンジ」が現代風

 美食館店主の江増偉さん(51)の祖先は、約300年前に中国から台湾に渡って来たという。「確かに客家料理は味が濃く、小さい頃は少しのおかずでご飯を何杯も食べたよ。今は現代風にアレンジして薄味だから安心して食べて」と教えてくれた。

 シャキッとしたカラシナは、ほどよい塩気で肉汁が染みこみ、飽きがこない。煮込まれた豚バラ肉は、口の中でとろける。一緒に食べると食感の違いがマッチし、脂っこさがやわらいですっきりした食感になる。

 客家の人たちは、元気がない人を「塩が足りない」と表現してきたという。ボリュームたっぷりの伝統料理を味わい、力がわいてきた気がした。

■熟成具合で呼び名が変わる

 客家料理に欠かせないカラシナの漬物は、熟成具合に応じて呼び名が変わる。浅漬けの「酸菜」をさらに漬け込み、半乾きにして瓶詰めで数か月熟成させると「福菜」になる。さらに全ての水分を飛ばした「梅干菜」は、ほのかに酸っぱい香りがする。長期保存に適し、水で戻して使う。

■開墾の苦労、英気養った脂っこい料理

 客家料理には、苦難に満ちた歴史をたどった客家の知恵が詰まっている。

 各地に移住した客家は先住者のいる平地を避け、未開だった丘陵地に住むことが多かった。開墾や農作業の苦労は絶えず、厳しい仕事をした後に脂っこい客家料理を食べ、英気を養ってきたという。

 長期保存が利く食材を使うのも特徴だ。台湾で普及する「客家いため」は、豆腐の水分を抜いた「豆腐干」や干したイカなどに野菜を加えていためる。

 台湾ではかつて客家が差別的な対応を受け、言語や文化が失われる懸念が強まった時期があった。1980年代以降、客家固有の文化を守る運動が盛んになる。2001年には行政院(内閣)に客家委員会が設けられ、客家文化の保護を進めてきた。

 食文化も重要な保護対象となった。客家委は専門家を集めて客家料理を定義し、代表的な食材や料理を選んで味を競う大会を開くなど普及に努めてきた。最近は客家料理を手軽な健康食として売り出そうとする動きが出ている。

◇ 国内外の総支局長が、地域の自慢の味を紹介します。

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