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明治期の料理を再現の長内あや愛さん、新食材・納豆菌粉にも注目:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

長内あや愛さんインタビュー動画

 紛争や疫病、気候変動などで、食料不安が高まっている。そんな中、日本の江戸後期から明治期に食べられた料理の復刻に取り組んでいるのは食文化研究家の長内あや愛さん(26)。「過去の食文化を知ることが、持続可能な食文化のヒントになる」と考えている。その理由とは――。

 日本の食文化に最も大きな変化が起きた明治時代。それまで鎖国していた日本は独自の食文化を築いていたが、1853(嘉永6)年、米ペリー艦隊の黒船来航によって西洋の食文化と出会うことになった。

 江戸後期から明治期を中心に書籍や当時の新聞、雑誌などから、洋食が日本に「導入」され、普及する過程を研究してきた長内さんが営む、東京・日本橋のレストラン「食の會(かい) 日本橋」。ここでは当時の家庭料理や洋食のレシピを掘り起こし、再現した料理を提供している。

おさない・あやめ 1996年生まれ、東京都練馬区出身。慶応大学大学院卒。大学院在学中に「食の會 日本橋」を開店し、江戸後期から明治期の復刻料理を提供している。慶応大学SFC研究所上席所員。

 「おいしいから、現代に残っている。つまりおいしくないと未来に残らない。昔の料理が、それを証明しています」

 復刻料理の一つにあるのが「明治初期に日本で食べられていたカレーライス」。1860(万延元)年に福沢諭吉が「増訂華英(かえい)通語(つうご)」で「Curry」を「コルリ」という発音で示し、日本で初めてカレーの概念を紹介したとされる。長内さんは、72(明治5)年出版の「西洋料理通」や「西洋料理指南」にある記述などを元に当時のカレーを再現。ネギ、ショウガ、カニ、カキ、エビ、カエルの肉、メリケン粉、英国から輸入した粉末状のカレースパイスなどで作られていた当時のカレーを現在、手に入る食材で復刻して提供している。長内さんによると薄味で、薬膳カレーのよう。辛くはなく、ショウガが利き、まろやかな甘口カレーのような味わいだという。

 ほかにも、「日本人が初めて食べたアイスクリーム」や滋養強壮の薬として食べられていた牛肉のみそ漬け、調味料として使われた煎り酒、ジュリエンヌスープ、栃木県郷土料理・しもつかれなどを再現している。復刻料理は「味が悪くても、そのまま出す」つもりで作っているが、食べたお客さんからは「昔の人もおいしいものを食べていたんだ」といった反応があるという。

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