もうすぐお正月。一年の初めに食べるおせち料理は、家族の健康と幸せを願って、一つ一つに意味が込められています。意味を知って、より楽しくいただきましょう。【篠口純子】
お正月は、新年の幸せをもたらす年神様を家に迎える行事です。おせち料理は、もともとは年神様へのお供え物でした。
平安時代に宮中で行われていた「御節供」から始まったといわれています。3月3日の上巳の節句や、5月5日の端午の節句など五つの行事「五節句」に、神様にお供えする料理のことです。やがて、一年の最初の節句である正月の料理を「おせち」と呼ぶようになりました。江戸時代になると庶民にも広がりました。
料理を重箱に詰めるのは、「福を重ねる」「めでたさを重ねる」という願いが込められています。最近では、大きな皿に盛り付けたり、一つの皿に1人分を盛り付けたりする方法も広がっています。
お雑煮やおとそも、広い意味でおせち料理といえます。お雑煮は、もちや地元でとれたものを神様に供え、その「お下がり」を食べたのが始まりといわれます。地域によってもちの形や、味付け、具材が違います。
好きなおせち料理は?
かまぼこ、ちくわなど魚肉を使った練り製品を製造・販売している「紀文食品」は、約7000人を対象に「お正月」「おせち料理」について、今年1月にアンケートをしました。2023年のお正月に「おせち料理を食べた」と回答した人は68%となりました。都道府県別では滋賀県が最も多い82・9%で、奈良県が80・0%、大阪府が76・1%と続きます。
お雑煮、黒豆、栗きんとんが人気
好きなおせち料理についても聞いたところ、全国では1位がお雑煮、2位が栗きんとん、3位が黒豆でした。地域別に見ると、お雑煮は沖縄県以外のすべての地域で1位となりました。沖縄の1位は、だし巻き・厚焼き卵でした。
首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、山梨県)のトップ3は、お雑煮、栗きんとん、だて巻きでした。首都圏と沖縄以外の地域では、お雑煮、栗きんとん、黒豆がトップ3。北海道は黒豆と並び、イクラ・スジコ、数の子も3位に入りました。
<おせち料理の意味>
◉煮しめ
一つの鍋で煮ることから、家族が仲良くいられますようにという願いが込められています。
◉エビ
エビのように長いひげをはやし、腰が曲がるまで長生きすることを願っています。
◉たたきゴボウ
地中深くに根を張るゴボウのように、家や仕事がその土地に根付いて栄えることを願っています。
◉なます
お祝いに用いられる赤と白の「水引」に見立てています。ニンジンの赤色、大根の白色の組み合わせが喜ばしいことから。
◉田作り
むかしは田畑に肥料として小魚をまいたことから、作物が豊かに実るよう願います。
◉かまぼこ
かまぼこは「日の出」を象徴するもの。赤はめでたさとよろこびを、白は神聖さを表します。
◉だて巻き
昔は文書や絵を巻物にしていたことから、知識が増えるようにとの願いが込められています。
◉数の子
魚のニシンの卵。卵が多いことから、子孫繁栄を願います。
◉黒豆
丈夫で健康に「まめまめしく」暮らせるようにという願いが込められています。
◉栗きんとん
金色に輝く財宝にたとえて、豊かな一年になるよう願いが込められています。
◉昆布巻き
「よろこぶ」の「こぶ」から、一年を喜びながら生活できるように願いが込められています。
好きなおせち料理ランキング
1位 お雑煮
2位 栗きんとん
3位 黒豆
4位 数の子
5位 だし巻き・厚焼き卵
6位 エビ
7位 かまぼこ
8位 だて巻き
9位 煮しめ
10位 イクラ・スジコ
11位 なます
12位 栗甘露煮
13位 昆布巻き
14位 田作り(ごまめ)
14位 酢ダコ
16位 たたきゴボウ・酢ゴボウ
17位 その他
18位 なると・つと
※紀文食品調べ
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