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中華料理店のオーナーシェフ、五十嵐美幸さん（47）は中華料理店を営む両親の長女として育ちました。
学校から帰るとランドセルを置いて向かうのは自宅1階にある店の厨房（ちゅうぼう）でした。シンクには「待っていました」とばかりに山積みの食器が。毎日、皿洗いなどを手伝いました。
忙しい合間に、母がよく作ってくれたのが中華丼でした。「はいよ」と手渡され、カウンターの隅で食べました。野菜やチャーシューの切れ端など具材は日によっていろいろ。ウズラの卵が入っていた日は、「ラッキー」とほおばりました。
「当時は何も考えずに食べていたけれど、一皿に野菜も肉も入って栄養満点。中華丼ってすごい」
店主の父は頑固な人でした。母に怒鳴るなど、けんかが絶えない両親を見て、小学生だった五十嵐さんは母に聞きました。「なんでお父さんと結婚したの？」。母の答えは「女一人じゃ生きていけないから」。
それを聞いた五十嵐さんは心…
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