【長谷川あかりのお悩みごはん】Vol.20
料理が好きになるための〈お悩み一問一答〉
1週間の献立を難なく考えられる、レシピを見なくても手早く料理ができる、作った料理はイメージ通りにおいしく完成!といった料理上手に憧れるけれど、理想と現実はなかなか一致しないもの。思い通りにできないばかりに、料理に苦手意識を持ってしまったらもったいない! いざキッチンに立ったときに直面しがちなお悩みに、長谷川さんから心強いアドバイスをいただきました。
教えてくれるのは……長谷川あかりさん
お悩み(1)「今日はいったい何を作れば……」日々の献立が思いつきません!
私自身は献立を考えるのはパズルを組み立てるようで楽しいのですが、実際に1週間単位で考えてみると、「火曜日は仕事で疲れて料理をする気になれなかった」「木曜日は急な飲み会に誘われた」……など、イレギュラーな事態が発生して計画通りにいかないことも多々あるはず。そこでおすすめなのは、2~3日単位の短いスパンで献立を考えること。
さらに、スケジュール通りにいかなくても、“常備食品”を使う料理を組み込んでおくと、予定を無理なくスライドできます。常備食品といえば、ツナ缶、サバ缶、あさり缶などの缶詰、乾燥わかめ、切り干し大根、干し野菜ミックスといった乾物がありますが、これらは万が一のときの備蓄(ローリングストック)にもなるので買い置きしてあると便利だと思います。ちなみに、生鮮食品はまとめ買いすると余らせやすいので、私はミニスーパーなどで手に入るものはその都度、購入しています。
また、献立といえば一汁三菜のイメージを持っている方が多く、それを“埋めていく”作業がしんどいのではないでしょうか? 実は私、食事を「献立にしなきゃいけない」とは考えていません。基本的には一汁一菜でいいし、余裕があればもう一品プラスしようかな、というくらいのスタンスです。
「きちんとした献立を作らなきゃいけない」と思うとストレスになってしまうけれど、一汁一菜プラスアルファ、くらいにハードルをぐぐっと下げればOK! 余力が残っていた日にもう一品作れたりしたとき「私ってえらい!」と気持ちも上がるはずです。
お悩み(2)「レシピ本を見ながらじゃないと料理が作れない」のが一番の悩みです
意外に多いのがこちらのお悩み。何も見ずに冷蔵庫にあるものでササッと料理を作っちゃう!というのが料理上手のイメージだからでしょうか。そんな理想を持っている方とってレシピ本を見ながら料理をするということは、なんだかカンニングをしているようで罪悪感が湧いてしまうのかなと想像します。
でも、安心してください。実は私自身、レシピ本を見ないで料理を作れるようになるまで8年かかりました。ただ、その期間レシピ本を見ながら料理をすることに罪悪感を感じたことは一度もありません(笑)。私にとってレシピ本は“魔法の指示書”。だって、その通りに作ったらおいしい料理が完成するのですから! 自己流でもいいけれど、せっかく料理をするならば確実においしいものをつくって満たされたい!と思っていましたし、それならばレシピ本を活用しない手はありませんよね。
レシピ本に頼っていると冷蔵庫の食材が余ったときどうしていいかわからなくて困る、というのもお悩みの原因のひとつかもしれません。でも今はインターネットで検索をすれば、それらを活用できるレシピがいくらでも見つかります。何にも頼らずに自分の力だけで作り上げるのは素敵なことですが、必ずしも0から1を生み出す必要はありません。その0から1をお手伝いするために、私がいるのです! 毎日のように料理を作るのは本当に大変なことですから、頼れるものはどんどん頼って胸を張っていきましょう。
そして料理家として、みなさんにどうしても伝えたいことがあります。
SNS等で、「レシピのおかげでおいしく作れた」とメッセージをくださる方がたくさんいらっしゃいます。それは料理家としてこの上ない喜びですが、目の前の料理をつくったのは私ではなく、あなたです。手段は関係なく、おいしい料理がつくれたらばあなたは間違いなく料理上手なのです。だから、自信をもってくださいね。
お悩み(3) 自分で作った料理を食べてみると「おいしく思えない」
もしかしたら、料理の味付けがうまくいかないというよりも、自分の中で“おいしい”の基準が定まっていないのかもしれません。自分基準の「おいしい」が無いまま、味をどう修正したら理想に近づくのかゴールが見えないまま味付けをすると、「なんだか思っていたのと違うな……」と、ズレが生じてしまいます。まずは本やWEBに記載されているレシピ通りに、きちんと計量して調理することを繰り返して、自分がおいしいと感じる味をつかんでみるのもひとつの方法かな、と思います。
おすすめしたいのは、“推し料理家”をつくること。インターネット上にも数多くのレシピがありますが、料理家さんの名前が紐づいているものに着目してみるといいかもしれません。自分と味覚や好みが合うと思った方のレシピを作り続けると、塩分の加減やだしのきかせ方といった味の感覚がつかめると思います。
推し料理家さんのレシピを真似した先に、自分の中にある“おいしい”の正解が見つかるはず。その点からも、レシピ通りに忠実に作るのは料理上手への近道だと思っています。
3月のテーマは「おつまみごはん」です。ビール、ワイン、ハイボールなどと相性抜群なだけでなく、お酒が飲めなくても楽しめるおいしいおつまみレシピをご紹介します。
【毎週金曜20時公開】
撮影/鈴木泰介 スタイリング/山口裕子 構成/首藤奈穂
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買い出し不要!ストック食材で「すぐごはん」が叶う〈韓国風茶わん蒸し〉
夜遅くなったときは、簡単に作れて体にもやさしいメニューがぴったり。でも、もうスーパーは閉まっている……。そんなときに助かるのが、缶詰や乾物などの日持ちがするストック食材です。今回は〈ストック食材でできるごはん〉として、長谷川あかりさんから韓国風茶わん蒸し〈ケランチム〉を教えていただきました。
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