昨季J2で11アシストをマークしたアルビレックス新潟MF伊藤涼太郎(25)がJ1開幕戦で2アシストし、同ランキング首位発進だ。2-2で引き分けた18日のアウェー、C大阪戦。前半22分にFW谷口の先制点をアシストすると、1-2の後半35分にも右CKからDF千葉の頭にピタリと合わせた。J1開幕戦で1試合2アシストは、11年の元韓国代表MFチョ・ヨンチョル以来、クラブ12年ぶり2人目。加入2年目のアタッカーがJ1の舞台で輝きを放った。

アシストを含めた「チャンスクリエイト」はチーム最多の6回。好機にはほぼ伊藤が絡んだ。前半3分、巧みなトラップから前を向き、MF三戸に決定的なスルーパス。同19分にも伊藤のパスに抜けだしたDF堀米のクロスにMF島田が頭で合わせた。トラップのさじ加減が絶妙で、ファーストタッチで相手のマークを瞬時に外して前を向く。チャージを受けたとしても巧みなボールコントロールで動じない。味方が次のプレーに移りやすい位置に気の利いたパスを通し続けた。

J1ではこれまで浦和と大分でプレーし、リーグ戦通算11試合で無得点、アシストもなかった。それが自身2季ぶりのJ1出場でいきなり2アシスト。ラストパサーとしての能力がJ1でもトップレベルにあることをあらためて証明した。今後は相手のマークが厳しくなることが予想される。だが、新潟のトップ下は動じないはず。最低でも2桁アシストを記録しそうな風格すら漂った。【石川秀和】

新潟伊藤涼太郎(22年10月8日撮影)
新潟伊藤涼太郎(22年10月8日撮影)