厳冬の時期に入り受験シーズンがいよいよ本格化してきました。子どもを私立中高一貫校に入学させたい親の中には入学後の昼食について頭を悩ます人が多いようです。ほとんどの学校は弁当持参となり、親は早朝から弁当作りに追われます。夫婦共働きとなると弁当作りの分担も話し合わなければなりません。こうした中、中高一貫の麗澤中学・高等学校(千葉県柏市)は計約1200人の生徒に対し給食制度をもうけています。5日には緑豊かなキャンパス内の食堂「けやき」で元ホテルオークラ札幌総料理長が指揮した特別メニューが提供されました。ふだんとは異なる本格料理の提供はどのようにして実現したのでしょうか? 同食堂内で職員と生徒らに話を聞きました。
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私立中高一貫校の多くは弁当持参
午後0時35分。約1200席を擁する広々とした食堂「けやき」に生徒たちがワクワクしながら続々と入ってきました。それもそのはず。この日のランチメニューは「ちょっと早いクリスマス特別メニュー」。生徒たちはトレーの上に特製ビーフストロガノフとデザートのグレープフルーツゼリーをのせてテーブルへと向かいます。調理の陣頭指揮をとったのは元ホテルオークラ札幌総料理長の浜崎日出夫氏。白くて長いコック帽を着用してちゅう房内に立つ浜崎氏は、優雅な身のこなしを見せながらビーフストロガノフの状態を見守っています。
ふだんは学年ごとに「麺」「丼」「定食」別のメニューがローテーションで提供されていますが、この日は有名シェフが担当した特別なランチ。その味について生徒たちは「お肉がたくさん入っていてめちゃおいしかった」(高3女)、「ふだんはフルーツがあまり出ないのでデザートの中に入っているグレープフルーツがおいしかった」(同)、「トマトの風味がすごく気に入りました」(高3男)、「ビーフストロガノフは酸味が強い印象でしたが、今日は酸味があまりなく食べやすかった。次回は本格的なハヤシライスが食べたい」(同)、「いつもの100倍うまかった。毎日食べたい」(中3女)などと喜ぶ声が上がっていました。同校側は「コストを考える必要はありますが、時には今日のように有名シェフを迎えて特別メニューを提供することで子どもたちを喜ばせたい」と企画の意図を語ります。気になるのは費用ですが、年間の学費とは別に「食費」の名目で年間11万5000円(高3は9万5000円、2023年度実績)の支払いとなっています。この日のビーフストロガノフには加算料金はありませんでした。
元ホテルオークラ札幌総料理長 米ニューヨーク総領事館では超VIPに料理を提供
浜崎氏は1971年にホテルオークラ入社。米ニューヨーク総領事館に5年勤務し超VIPに料理を提供した経歴の持ち主です。長野五輪や沖縄サミットの関連施設でも総料理長を歴任し2003年にホテルオークラ札幌取締役総料理長に就任しました。現在は、食をサポートするエームサービス(株)専門料理顧問として活躍中。生徒らに提供したビーフストロガノフにはベテランなりの工夫が加味されたといいます。「本格的なビーフストロガノフはサワークリームを用いますが、そうすると酸味が強くなってしまいます。子どもたちには酸味を抑えるためレモン汁を代用し味全体をまろやかにしました」。本格的な料理と食育の関係性を聞くと「学校の食堂で高級ホテルの料理を食べた、という感動や記憶だけでも残ってくれればうれしいです。いつか今日のメニューを思い出し料理の奥深さを感じてくれればそれ自体、立派な教育になるのではないでしょうか」とにこやかに話しました。
給食制度について生徒に親たちの反応を聞くと「弁当と違い給食は温かいご飯が提供されるのでよい」「栄養のバランスがとれていそう」「何といっても早朝から起きて弁当を作る手間暇が省けるので助かる」などと歓迎する声が大半ですが、「給食は助かるけど子どものためにたまにはお弁当を作ってみたい」とする声もあるようです。他の私立中高一貫校でも学内のカフェテリアで昼食がとれるケースがありますが、校舎内の移動が大変だとの理由で弁当持参を基本とする親も多いようです。進学先の選択肢としてその学校に給食制度があるかないか、またその費用はいくらか、などを事前にチェックすることも大切でしょう。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)
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