およそ3万2400――。ことし値上がりした食品などの数です。ことしは食材の高騰が続き、暮らしを圧迫したと感じた方も多いのではないでしょうか。そこで、生活に少しでも役立つ料理のコツを、郡山市で料理教室を主宰するプロに聞きました。具体的な料理のレシピを交えながら、きょうからすぐに役立つテクニックの数々をご紹介します。
テクニックその1:卵を節約!
まずはかつて“物価の優等生”ともいわれた卵の節約術。飼料の高騰や、鳥インフルエンザの影響で価格上昇が著しく、去年7月は東京での相場が1キロ200円ほどでしたが、ことし初めには300円台に。夏ごろにはいったん価格は下がって落ち着きましたが、いまも250円前後と一時より高い水準で推移しています。
今回教えてもらったのは、揚げ物に使う際のテクニック。通常は2個以上使う卵を、水を加えてかさ増しすることで、使う数を減らすことができるといいます。イタリア風のカツレツで、具体的なノウハウを見せてもらいました。
豚ヒレのカツレツ ケッカ風 Cotoletta di filetto di maiale con salsa di checca ※4人分
○豚ヒレ肉ブロック 200g
○卵1個 ※水を大さじ1加える
○パン粉 1カップ
○パルミジャーノチーズ 大さじ2
○イタリアンパセリ 2枝
○塩・こしょう
○揚げ油
①まずはつなぎの準備。ここで卵を節約。卵1個に対し、大さじ1の水を入れて少しかさ増し。
②コツは卵の成分が均一になるようによく混ぜること。水を加え、さらさらになるまでよくかき混ぜる。
③豚ヒレを2センチの幅に切り、軽く平らに潰して塩・こしょうをまぶす。
④平皿にパン粉1カップ、 パルミジャーノチーズ大さじ2、イタリアンパセリ2枝を混ぜ合わせて広げて肉にまぶす。パン粉はなるべく目の細かいものを選ぶ。
⑤溶き卵にくぐらせて、もう一回パン粉をまぶす。
⑥パン粉をまぶして少し落ち着かせたらフライパンへ。
⑦フライパンに油を薄く張り180℃に熱し、揚げ焼きにしてできあがり。
この方法は、魚のフライやコロッケなど、パン粉を使う揚げ物であれば幅広く応用できます。調理の過程で卵液が足りなくなりそうになった時は、卵液をつけた肉を重ね、たっぷりついた肉から少ない肉に回って均一にさせることで、不足を補うことができるとのこと。
カツレツはそのままでもおいしくいただけますが、“ケッカソース”というトマトベースのソースを作ってかけてもおいしくいただけます。トマトを1センチ角に切り、塩、ちぎったバジル、オリーブオイルを加えて混ぜ合わせるだけ。
ケッカソース ※4人分
○トマト(大) 1個
○にんにく 1かけ
○バジル 2枚
○オリーブオイル 大さじ4
○塩
○ベビーリーフ
テクニックその2:むだなく使う!
揚げ物を作ると、中途半端にあまってしまう卵液の処理にも困るもの。そこで、もうひと工夫。先ほど揚げ物に使ったあまりの卵液をひき肉に混ぜ、ハンバーグやミートボールにすれば有効活用でき、次の日の献立にも困らないといいます。今回は少し豪華に、ハンバーグのオーブン焼きのレシピも合わせて教えてもらいました。
ハンバーグのオーブン焼き Polpette al forno ※4人分
○豚ひき肉 350g
○卵1個 ※揚げ物であまった卵液と一緒に使う
○粉チーズ 大さじ1
○パン粉 大さじ2
○牛乳 大さじ1
○塩・こしょう
○ナツメグ
○ベーコン2枚
○トマト 1個
○スライスチーズ(モッツァレラ) 2枚
○ローズマリー 2枝
○小松菜1袋
○オリーブオイル 大さじ2
①小松菜は4センチ幅に切り、耐熱皿に薄くオリーブオイルを敷いてから皿の下に敷き詰める。
②ひき肉に揚げ物で使ったあまりの卵液を加え、さらに卵を1個入れる。
③揚げ物に使ったパン粉も混ぜて、粉チーズ、牛乳、塩・こしょう、ナツメグをかけて全体が均一になるようよくこねる。
④こねたひき肉を4つに分割し、丸めて耐熱皿の上に並べる。上に半分に切ったベーコン、スライスチーズ、輪切りのトマトの順に重ねて、ようじ(今回はローズマリーを使用)でとめる。
⑥黒胡椒を散らして耐熱皿に敷き詰めたら、 200℃に熱したオーブンで15~20分ほど焼いて完成。直前にオリーブオイルを回しがけてもいい。
テクニックその3:少ない材料で豪華に!
残り物の野菜などでもおいしく、簡単に作れるメニューも教えてもらいました。使う材料は、オリーブオイルにジャガイモやピーマンなどの野菜。味付けは塩だけ、というシンプルさ。簡単ながら、豪華においしく作ることもでき、知っておくと重宝する料理です。
野菜のオイル煮 Stufato di verdure ※4人分
○じゃがいも(大)2個
○ピーマン 2個
○パプリカ(赤・黄) 各1個
○オリーブオイル 80cc
○塩
①ジャガイモは皮をむき、1センチの輪切りにする。
②パプリカ、ピーマンは2センチ角に切る。
③鍋にオリーブオイルをたっぷり加えて軽く熱し、ジャガイモを少し焼き色がつくまで炒める。
④ジャガイモに焼き色がついてきたら、ピーマン、パプリカを加え、表面に油が回るよう、軽く混ぜながら炒める。
⑤野菜をすべて入れて軽く炒めたら、塩で下味をつけて蓋をし、弱火で15分~20分ほど煮る。
料理教室講師「節約術へのニーズは高まっている!」
今回の節約術を教えてくれたのは、郡山市で料理教室を開いている渡辺真夏さん。身近な材料を使って手軽にイタリア料理に親しんでもらおうと18年前から始め、いまは常時60人から70人の生徒さんが通うほどの盛況ぶり。取材したこの日も、生徒さんに囲まれながら料理を教えていました。庶民の料理から発展したというイタリア料理。食材をむだにせず活用する知恵や技も多数あり、教室の中で生徒さんたちに教える機会も多いといいます。ここ最近は食材の高騰もあって、節約やむだを抑える知恵や技に対してニーズの高まりを感じているとのこと。
(渡辺さん)
昔から教室でやっていることは同じなんですけど、節約術に対する生徒さんの反応っていうのがこの物価高を受けてレスポンスがよくなっているように感じますね。節約だけが料理教室じゃないんですけど、昨今の事情を反映した皆さんのニーズにお答えできるようなものをこれからも教えて行ければいいなと思っています。
取材した記者も節約術のとりこに!
今回、料理教室で節約術を伝授されたのは、料理が趣味の相原記者。料理歴5年、休日にはせっせと料理を作り、SNSで発信する筋金入りの料理男子。今回のテクニックの数々は、そんな料理好きの記者にも響いたそう。
(相原記者)
どれもおいしくて、すぐにまねしました。取材が終わった最初の週末、カツレツを自宅で作ってみたら、とてもおいしくできましたよ。ぜいたくな材料や手間をかけた料理こそおいしい、というわけではないのは頭では理解していましたが、実際にノウハウを目の前で教えてもらうと非常に勉強になりますね。ふだんの取材や自分の生活の中でも食材の高騰は痛感しているので、これからはいかに費用や手順を省いておいしいひと皿を作ることができるか、わたしも研究して精進を重ね、料理の道を究めたいと思います。
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