Search

エジプト 鳩料理(ハマムマッハシ・ハマムマシュイ)の特色と歴史、読売新聞特派員が取材 - 読売新聞オンライン

 エジプトの名物といえば「ハト料理」だろう。日本では、あまり見かけることがないが、ここではだれもが好む人気の一品だ。

 炭火で焼いた「ハマム・マシュイ」のほか、特に有名なのは「ハマム・マッハシ」。日本米に近い短粒米にタマネギやハトの内臓、香辛料や塩コショウなどを加えて炊き込み、味付けしたご飯を中に詰め、丸ごとゆでてから焼き上げる。

 歴史的なモスク(イスラム教礼拝所)などが並ぶカイロ旧市街の人気店「ファラハット」では、1日に平均400~500食が提供されるという。

 路地にはみ出したテーブルに案内され、待つこと10分ほど。こんがり焼き上がったハマム・マシュイ(1羽160エジプト・ポンド=約520円)とハマム・マッハシ(1羽180エジプト・ポンド=約590円)が現れた。

 大きさは約20センチ。身は少ないが、引き締まっていてコリコリの食感がたまらない。ハマム・マッハシを半分に切ると、中から褐色のご飯がこぼれ出た。ほんのり甘く、ハトの肉汁をたっぷり吸った濃厚な味。いくらでも食べられそうだ。

 ご飯には、特製のバターが加えられているという。「詳しくは言えないが、これが味の秘密だよ」と、店に勤めて25年になる料理長のレダ・アミンさん(50)が得意そうに話してくれた。

 ハトをゆでた際の煮汁で作った「ハトスープ」(15エジプト・ポンド=約50円)も合わせていただく。しっかりとした深みのある味で、食が進む。

 ハト料理は、ビタミンやたんぱく質が豊富で、栄養満点。滋養強壮や疲労回復に効果的とされることも人気の理由の一つだ。

 アミンさんは「私もしょっちゅう食べるよ。とても元気になれるからね」と笑顔を見せた。

 毎日多くの注文があるハマム・マッハシ。ハトにご飯を詰める作業には技術が必要だ。慣れていなければ1羽5分程度かかるが、熟練のスタッフは30秒ほどで1羽を仕上げるという。

 エジプトの「ハト料理」の起源は、紀元前3000年頃の古代エジプトにまで遡り、約5000年の伝統があるとされる。当時の壁画にハトを運ぶ人の姿が描かれており、王族らもハト料理を好んで食べたと考えられている。

 昔から日常的な料理というより、結婚式などの祝宴に合わせて提供される特別な料理とされ、今も家庭では客人をもてなす際に出されることが多い。

 エジプトの農村部では、食用のハトを飼育するための円筒形の塔があちこちに立っている。こうした塔も数千年前から存在し、肥料となるフンを集める場としても使われたという。

 高さ6メートル程度の塔であれば、内側に2000個ほどのつぼが積み重なり、1000羽ほどが飼育される。粘土で固めた塔は内部の気温が安定し、繁殖しやすい環境になっている。

 卵が生まれると、約3週間で 孵化(ふか) し、約1か月で成鳥となる。健康に育つように、塔の上や横にある穴から外に出て自由に飛び回れるようになっているが、必ず戻ってくるという。

 国内外の総支局長が、地域の自慢の味を紹介します。

Adblock test (Why?)



from "料理" - Google ニュース https://ift.tt/VXgjRdF
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "エジプト 鳩料理(ハマムマッハシ・ハマムマシュイ)の特色と歴史、読売新聞特派員が取材 - 読売新聞オンライン"

Post a Comment

Powered by Blogger.